御林茶業組合は、東海道の三大難所のひとつとされる「小夜の中山」の西麓にある。東海道五十三次・25番目の宿場「日坂宿」の近くだ。このあたりの山麓は平坦な場所が少なく茶工場は少ない。大きな重機を入れることができない制限の多い土地だ。そのため生産数量が少なく、出来上がった茶も予約販売になることも多い。一般的に、この御林茶業組合の深蒸し茶はあまり出回ることがない。 品種はあさつゆ。収穫量は少ないが人気の品種だ。天然玉露とも評されるほどの濃厚な旨みが特長で、抹茶のような濃いグリーンと独特な香りがある。茶のプロなら、その香りだけで瞬時にあさつゆと分かるほどだ。味わいは濃厚でありながら渋みや苦味はほとんどなく、甘みが強いのが特長だ。登録年は古く、やぶきたと同じ1953年。静岡県金谷にある茶業試験場で宇治在来種の実生から選抜されて育成された。ほとんどが鹿児島を中心として九州一帯と静岡で栽培されている。 静岡県掛川市の御林地区という限られた範囲で育てられた、天然の玉露ともいわれる高級稀少品種。その甘く芳醇な香りと、口の中に広がるとろりとした甘みをじゅうぶんに堪能してほしい。
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高温の湯で淹れると香りが引き立ち、低温で淹れると甘みが楽しめる