茶師・洋太郎のイチ押しポイント
苦みが少なく深蒸し茶が初めての方にもピッタリ
「福みどり」は、もともと苦味が少ないお茶の品種です。
深蒸しにすることで、その豊かな風味がさらに際立ち、非常に飲みやすくなります。
深蒸し茶を初めて飲む方にもピッタリです。
また、「福みどり」を育てる鈴木進悟氏は、未来を見据えた取り組みであるJGAPにも熱心です。同世代の匠として、私も彼から多くの刺激を受けています。
洋太郎セレクト・オススメのお茶うけ
あんこがいっぱいのお饅頭がおすすめ。
私もお饅頭のときは、福みどりをチョイスすることが多いです。
感じて欲しいポイント
・ミルクのような香り
・最後に残る爽やかな青み
・2煎目も渋みが出ず、3煎目まで美味しい
オススメの茶器
深蒸し製法で仕上げているので「深蒸し用急須」がおすすめです。一般的なものより網目が濃く、茶葉が詰まりづらく快適に淹れることができます。 →深蒸し用急須のお買い求めはこちらから
茶の匠・鈴木進悟
静岡県御前崎市にある「牧之原台地(まきのはらだいち)」は、日本茶の名産地として有名です。ここでお茶を育てているのが、「YAMASA鈴木園」の5代目、鈴木進悟氏です。1995年生まれの彼は、自らを「次世代型日本茶農家」と呼び、世界一のお茶を目指して日々活動しています。
2024年には、全国の茶農家が集まる茶品評会で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞するなど、その実力は折り紙付きです。「YAMASA鈴木園」は、安心安全のJGAP認証を取得しており、少量生産で高品質なお茶を徹底的に追求しています。
JGAPとは
JGAPは、日本の農業で使用されている認証制度です。持続可能な農業を実現するための基準が定められており、これに基づいて安全で高品質な農産物を生産します。
茶の産地・牧之原台地
明治維新後の武士の生活を支えた、日本有数のお茶の名産地
牧之原台地は、日本茶の生産地としてとても有名です。南側を駿河湾に面しており、北側には牧之原丘陵が広がっています。ここは、温暖な気候と水はけの良い砂質の土壌があり、茶栽培にとても適しています。
この土地が茶の産地として発展したのは、19世紀後半からです。それ以前は、桑畑や雑木林が広がる荒地でした。しかし、この地が現在のような日本茶の名産地として確立された背景に大きく関わっているのが、武士、そして政治家として幕末から明治維新へと激動する日本で重要な役割を果たした人物・勝海舟です。
勝海舟は、徳川幕府が崩壊し武士たちが職を失った後の日本の発展を考え、牧之原台地の開拓を推進しました。その地形と気候が茶の栽培に適していると考えたのです。これが牧之原台地が現在のように日本茶の名産地として確立されたきっかけです。
茶の品種・福みどり
「福みどり」は、主に煎茶や玉露の製造に使われるお茶の品種です。葉が大きくて厚く、収穫量が多いのが特徴で、特に深蒸し茶や高級茶の製造に適しています。鈴木進悟氏は、この品種を使って深蒸し茶を作っています。
福みどりの深蒸し茶
「福みどり」の深蒸し茶は、特有の味わいが特徴です。深蒸し茶とは、通常よりも長く蒸すことで、濃厚でまろやかな味わいが楽しめるお茶です。
苦味が少なく、飲みやすいため、初めて深蒸し茶を試す人にもおすすめです。また、その濃厚で鮮やかな色合いも、視覚的な楽しみを提供してくれます。
洋太郎おすすめの淹れ方
1. 急須にお茶の葉を入れます(1人分:3g)。
2. 70℃~80℃のお湯を注ぎます(150ml)。
3. すぐに少しずつ湯呑みに注ぎます(急須に3割ほど残すまで)。
4. 急須を約30秒まわします。
5. 最後の一滴まで湯呑みに注ぎます。この最後の一滴は「ゴールデンドロップ」と呼ばれ、旨みが凝縮されています。
高温のお湯で淹れると香りが立ち、低温だと甘みが楽しめます。