2013年4月。静岡県浜松市天竜区春野町・杉地区で大規模な地滑りが発生した。この地滑りにより広範囲の茶畑が崩落したが、一部、奇跡的に残った茶がある。この茶は「奇跡の茶」と名付けられ大きな話題となった。その杉地区で育った茶は、澄んだ空気と清らかな天竜川支流の山間部で伸び伸びと成長している。 品種はやぶきた。1953年に登録された品種で日本で栽培されている茶の約75%を占める。漢字では「薮北」と書く。1908年、静岡県の茶農家・杉山彦三郎が自己が所有する竹薮を切り開いた茶園から優良な品種2本を選抜した。薮の北側から選んだ1本を「やぶきた」、南側から選んだ1本を「やぶみなみ」と名付けた。2本の茶樹の実験と観察を続け「やぶきた」が霜に強く従来の品種よりも早い4月下旬から5月上旬に安定して一番茶の収穫ができることが分かった。約50年後、静岡県の奨励品種に指定されたことをきっかけに急速に普及し現在に至る。 山間部特有の温暖さのある気候。森林と清流、そして肥沃な土壌といった茶の栽培に適した環境。ここで育てられた茶は、透明感のある水色ながら温和で濃厚な味わい。そして、最後の一滴まで美味しく飲み干すことができる。
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急須に茶葉と氷水を入れ茶葉が開くまでじっくり待って淹れると、さらに甘みのある茶が楽しめる